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先住民考古学ワーキンググループ・第1回ワークショップ [研究集会]

先住民考古学ワーキンググループ 2016年度 第1回ワークショップ

日時:2017年1月28日(土)
場所:北海道大学アイヌ・先住民研究センター 会議室
13:00- 趣旨説明
13:15- 話題提供1 友田 哲弘(旭川市教育委員会)
13:45- 話題提供2 猪熊 樹人(根室市歴史と自然の資料館)
14:30- 話題提供3 八幡 巴絵(白老町アイヌ民族博物館)
15:00- 話題提供4 五十嵐 彰(東京都埋蔵文化財センター)

「返還問題から見る先住民考古学の位相 -返還考古学という視座-」と題して発表した。
話しの内容は、昨年の夏に行なわれたWAC-8における返還を巡る状況そして先住民考古学と植民地考古学の相互の関係など最近考えていることである。
一つの見通しは、アイヌ考古学―先住民考古学―植民地考古学―近現代考古学という階層の異なる入れ子状態の部分-全体関係である。

遺骨返還訴訟の和解に基づいて昨年7月に北大から返還された12体の遺骨、「アイヌ人骨・副葬品に関するラウンドテーブル報告書」、2020年開設予定の国立博物館の準備状況など様々な動きがみられる最近の地元の状況を詳しく伺うことができた。

遺骨(遺体)の返還には応じるが、遺物(副葬品)の返還には応じない。こうした状況は、先住民コミュニティが彼ら/彼女らの文化・歴史を取り戻し、自らが自らを語る権利を損ねていると考えるべきである。
返還対象となる考古資料は、遺体に伴う副葬品に限定されない。集落跡・住居跡から出土した資料についても、当然返還対象となるだろう。
調査する側と調査される側という文化人類学で長年にわたり議論されてきたテーマに、考古学も向き合わざるを得ない。

「日本人類学会と日本考古学協会は、それぞれの研究がアイヌの歴史の復元において果たす役割の重要性を認識するとともに、研究する側とされる側の立場について、また誰のための、何のための研究なのかということを、十分に意識し研究に取り組む。」(北海道アイヌ協会・日本人類学会・日本考古学協会2016『アイヌ人骨・副葬品に関するラウンドテーブル報告書(案)』:4頁)

4年前に大学総合博物館の正面玄関で出会った「ヤップ島の石貨」を見にいったが、見当たらなかった。この間になされたリニューアル事業に伴って撤去されたようだ。受付の方に行方を尋ねたが、存在自体をご存知なかった。

札幌駅前の書店で買い求めた書籍の中の一節から。
「わたくしがいつも感心するのは、考古学者といっしょに地方に旅行して、何かえたいの知れない物をみせられると、彼はタイゼンとして答える。”アア、これですか? これは、はっきりしたことは分かりませんが、たぶん宗教的なものにちがいないと思います。” はっきりしたことが分からないのに、どうしてそれが宗教的なものと断定し得るのか? イナカの人はそこまでは聞こうとしない。だから、考古学者はいつもアンタイなのである。」(知里 真志保1956『アイヌ語入門 -とくに地名研究者のために-』:22-23.)

現在の緑川東問題にも通じる60年前のあるアイヌ語学者の感慨である。


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