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不可視委員会2016『われわれの友へ』 [全方位書評]

不可視委員会(HAPAX訳)2016『われわれの友へ』(Comite invisible A nos amis) 夜光社

「ひとつの文明の終りが/世界の終わりではない者たちへ
 なによりもまず蜂起のうちに/組織ぐるみの嘘と混迷と愚かさの支配にうちこまれた
 ひとつの裂け目をみとめる者たちへ
 たちこめる「危機」の霧の背後に/作戦と術策と戦略がくりひろげられた舞台の存在を
 ―それゆえ反逆の可能性をみいだす者たちへ
 攻撃する者たちへ/好機をうかがう者たちへ
 共謀の友をもとめる者たちへ/離脱する者たちへ
 試練をたえぬく者たちへ/みずからを組織化する者たちへ
 革命的な力をつくりだそうとする者たちへ
 革命的、なぜならそれは感覚的なものであるから
 われわれの時代を解明するための/ささやかな試論をここにささげる」
 (裏表紙より)

ヨーロッパはフランスの友からの呼びかけである。
本書は、八ヶ国語・四大陸で同時的に刊行された。
示唆に富む多くのことが、述べられている。

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溝口2015「公共考古学の可能性」 [論文時評]

溝口 孝司 2015 「公共考古学の可能性」『過去を伝える、今を遺す -歴史資料、文化遺産、情報資源は誰のものか-』史学会125周年リレーシンポジウム2014 4、九州史学会・公益財団法人史学会編:170-194.

いわゆるパブリック考古学論である。
「現代的考古学実践の四類型」(図2:179.)という四象限図を始め、大枠は昨年の日本考古学協会の研究発表時に聞いた覚えがある。改めて、詳細に述べられたということである。
同書にも収められているエルサルバドルの事例(村野 正景2015「文化遺産の継承そして創造へ―参加型考古学を試みる」:84-114.)などは、差し詰め「第三象限」に属するものと思われるが、その中でも様々であることが良く分かる。
そして4つの「実践課題」が示される。

現代考古学実践課題一:「学問的成果として解明された人類史を市民に対していかに語るか」
現代考古学実践課題二:「植民地主義の様々な(正負の)遺産と、考古学的実践を通じてどのように向き合うか」
現代考古学実践課題三:「様々な位相・スケールで進行する経済格差の拡大が、ポストコロニアル状況の深化と相関しつつ導く様々な内容の社会的緊張関係・差別の問題と、考古学的実践を通じてどのように向き合うか」
現代考古学実践課題四:「流動化・断片化する生活世界のなかで問題化する「アイデンティティ問題」、存在論的セキュリティの動揺に対し、考古学的実践を通じてどのように向き合うか」

やや固い言葉が連なるが、課題二と課題三については以下のように語られる。

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