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「日本考古学」という地域考古学 [総論]

前々回の記事「世界の中の「日本考古学」(続:WAC-8 全体分析)」を巡るコメントのやり取りを通じて「「日本考古学」は地域考古学である」という偉大なる?真理に到達したので、今回はそうしたことにも関連する文章を、隣接学問の著書から少々引用しよう。

個別と一般/地質学につきまとう地域
先に、プラトンのことを書きました。彼は具体的事象・現象の影に隠れた真理「イデア」を探せといったのでした。それは2000年のときを超えて、デカルトの「個別と共通的本性」などという言葉として繰り返されました。それは地質学・地球科学の言葉で言えば、「地域と地球一般」となります。
たとえば、「四国とはどんなところか?」を考えると同時に、「四国は地球を考える上でどんな意味を持つのか?」も考えよということです。

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世界の中の「日本考古学」(続々:WAC-8に至る道) [研究集会]

WAC-8に至るには、重要なマイル・ストーンがあった。それが10年前の「世界考古学会議中間会議 大阪大会2006」(WAC-IC OSAKA)である。中間会議2006大阪があったからこそ、本会議2016京都があったとも言えよう。
両者を比較し通時的に分析することで、世界考古学に対する日本考古学の変化についても、伺い知ることができる。

WAC-IC 2006の研究発表は、4日間(実質3日)の日程で、4会場、3テーマ、23セッション、160本の口頭発表、34枚のポスター発表であった。
WAC-8 2016の研究発表は、4日間(実質3日半)の日程で、29会場、15テーマ、159セッション、1477本の口頭発表、132枚のポスター発表であった。
10年を隔てて、規模はおよそ7~8倍になったとみてよいだろう。

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世界の中の「日本考古学」(続:WAC-8 全体分析) [研究集会]

まず全体を俯瞰してみよう。
15のテーマが設定されたが、当然のことながら研究発表も均等に配置されているわけではない。
一番多いのはテーマ10「科学」(270; 18%)で、以下テーマ6「地域」(195; 13%)、テーマ8「遺産・博物館」(181; 12%)と続く。
日本人研究者の発表も、テーマ10「科学」(101; 29%)、テーマ6「地域」(66; 19%)、テーマ5「比較」(59; 17%)となる。日本考古学の場合、科学に対する集中が顕著である。本テーマに関するポスター発表も28/48で58%と過半を占めている。
それぞれテーマごとの研究発表における日本人研究者の占める割合も、テーマ13「災害」(32/66; 48%)、テーマ10「科学」(101/270; 37%)、テーマ5「比較」(59/167; 35%)、テーマ6「地域」(66/195; 34%)、テーマ12「交流」(17/65; 26%)がトップ5である。他のテーマは概ね10%台なのだが、逆に目立つのがテーマ3「植民地・先住民」(4/90; 4%)、テーマ9「理論」(7/102; 7%)の極端な低率である。この2つのテーマに対する日本考古学の関心の低さ、無関心さが示されている。

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世界の中の「日本考古学」(WAC-8 事後分析) [研究集会]

ホームでの開催にも関わらず、ホームの参加者の方がマイノリティである。「ホームなのに、アウェイ」という摩訶不思議な感覚である。これもWAC(世界考古学会議)ならでは、と言えよう。
そうした状況で、どのようなことが語られ、どのようなことが語られなかったか、そうしたことから「日本考古学の今」が浮かび上がってこよう。 

まず体の大きさを知るには、誰かと比べなければならない。
とりあえず比較の対象として、一般社団法人 日本考古学協会 第82回総会(2016年5月28・29日、東京学芸大学)を取り上げよう。

日本考古学協会2016の研究発表は、2日間(実質は1日半)の日程で、8会場、8つのセッション、80本の研究発表、38枚のポスター発表(8枚の高校生発表を含む)であった。
それに対してWAC-8の研究発表は、4日間(実質は3日半)の日程で、29会場、159のセッション、1477本の研究発表、132枚のポスター発表である。

会場数は3.6倍、セッション数は20倍弱、研究発表数は18.5倍、ポスター発表数は3.5倍である。
もちろんWAC本会議は4年に一度、日考協総会は毎年という違いがある。
WAC-8における日本人(と思われる)研究者の研究発表だけでも、352本という「日本考古学」始まって以来の規模である(一人の研究者が複数の発表をしている場合もあるので、発表研究者数と研究発表数は一致しない)。

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