So-net無料ブログ作成
検索選択

過去への向き合い方 [学史]

「過去への批判は、過去の歴史と歴史遺産とどう向き合うかという、すぐれて現代の私たちの実践とかかわる問題である。」(春成 秀爾2016「日本考古学の父、濱田耕作」『通論考古学』岩波文庫(青N120-1):290.)

「南京陥落時の祝賀式で「南京陥落の快報は至れり。吾人皇国の臣民たる者欣喜の情景に譬ふるもの無し……」の訓示を垂れ、教練学生の閲兵などで濱田は総長として「厳然たる御姿」を見せた(寺田俊雄「濱田先生の追憶」『濱田先生追悼録』京都帝国大学文学部考古学教室、1939年)
しかし、本心はそうではなかったのである(「春成秀爾「二つの「古代の遺物」-濱田青陵」『考古学者はどう生きたか』学生社、2003年)」(同:293.)

さて、その「本心」とは?

続きを読む


nice!(3)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

大島2014『月と蛇と縄文人』 [全方位書評]

大島 直行2014『月と蛇と縄文人 -シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観-』寿郎社

「…考古学の世界では出土品などの分類が目的化してしまい、ほかの学問の成果を取り入れて縄文人の精神性を明らかにするという作業を長い間怠ってきたのです。次から次と掘り出される資料の分類につねに翻弄されていて、その余裕がなかったともいえますが。
どんな学問もそうですが、考古学もまた「人間とは何か」を明らかにするためにあります。ですから縄文人についても、もっと人間としての側面から研究することが必要なことは明らかです。科学も文字もない社会で生きていくためには、もっぱら「人類の根源的なものの考え方」を用いて「世界(自然)を認識する」ことが必要だったはずです。」(6-7.)

著者は2月19日の公開討論会にわざわざ北海道から参加されて、励まされる意見を頂いた。
「合理的・科学的思考でものを考える、あるいは経済的価値観を至上とするような現代社会に生きる私たち」に対して刺激的で示唆に富むコメントだった。

続きを読む


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問