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考えよう! 旧石器人のライフスタイル [研究集会]

考えよう! 旧石器人のライフスタイル -人とモノの移動から探る旧石器時代の生活-
2012年度 東京・神奈川・埼玉埋蔵文化財関係財団普及連携事業公開セミナー

日時:2013年2月11日
場所:杜のホールはしもと(神奈川県相模原市)

半日だけの参加である。ゆえに以下の論評は主に配布資料のみによる。
「旧石器時代の人々の移動生活を実証的に捉えた研究は、1960年代後半から1970年代に調査された埼玉県所沢市の砂川遺跡の出土資料をもとに発表されています(戸沢1968、安蒜1974他)。図5は、砂川遺跡の石器の接合資料の概念図です。石器を同一母岩ごとに分類した後、接合作業を実施した結果、各母岩別資料ごとに遺跡内への石材の持ち込まれ方が異なっていることが分かったのです。つまり、当時の人々は、複数の石器の素材となる資料を保持しており、必要な時に必要な石材を必要な量だけ、獲得・消費・保管・移動させながら大地を駆けめぐっていたのです。石器や礫しか出土しない日本の旧石器時代遺跡の調査成果の中に躍動的な人々の動きを想像させるような成果と言えるでしょう。現在、旧石器時代遺跡の発掘調査後には、必ずこの作業が実施されています。」(栗原 伸好「人の動き・モノの動き(旧石器時代入門)」:6.)

「必ず・・・」
眩暈がしてくる。

「砂川遺跡への石材搬入・搬出概念図」(7.)
現在集成作業中の研究に、また新たな事例が一つ加わった。これが最後だと信じたい。

「さてこの段階の特徴的な遺構として、環状ブロック群をあげることができる。環状ブロック群とは石器集中部(ブロック)が環状を呈し、径約20~80mの環に数基から数十基の石器集中部が並んで分布するものを指す(第2図)。石器集中部は世帯と想定される生活単位を反映する石器に係る作業単位であるから、環状ブロック群は環状の村を示している。(中略)
環状ブロック群は、技術確立、資源の有効利用の結果としての人口増加に対する緊張緩和の装置だったのである。」(伊藤 健「3万年前の生活」:19.)

以下の文章との隔たりもまた目が眩むほどである。
「図23は千葉県四街道市御山遺跡第2ブロック(Ⅹ層)で、環状ブロック群としては初期の事例である。何か所もの小ブロックが円環部分をつくり、環央部にも遺物が集中するところがある。小ブロックは遺物の多い所と、希薄なところがある。これは廃棄された生活ゴミに混入した石材の多寡をしめしているにすぎないだろう。行動エリアのどこかでおこなわれた石材消費によって生じた石片が、多様な生活ゴミに混在して処分された結果である。遺物が散布する丸い範囲は、キャンプ設営時に草刈りされた範囲であり、この外縁に沿って置きゴミがブロック状に堆積した。これまでみてきたように、この円形をしたキャンプ内の空間レイアウトには規則性はない。炉や小屋掛けの位置も不明であるが、複数であったと考えられる。中央部の廃棄物が置きゴミなのか、廃棄直前段階の寄せゴミなのかわからない。」(田村 隆2012「ゴミ問題の発生」『物質文化』第92号:31.)
「・・・旧石器時代遺跡にまつわる根本的な誤解、あるいは短絡妄想は速やかに一新されなければならない・・・」(同:33.)

「速やかに一新」
またも眩暈がしてくる。

「今年度のテーマは、旧石器時代の人々の生活について取り上げています。2万年以上続いた旧石器時代、人々はその時期その時期でどのような石器を使っていたのか、そしてその石器の素材はどのような石材でどの地域で採れるものなのか、遺跡から出土した石器石材の生まれ故郷はどのくらい離れていてどうやって運ばれてきたのか。こうした多くの疑問が近年、発掘調査や研究によって次々と解明されてきています。今回のセミナーでは、三都県下で行なわれた発掘調査や研究成果をもとに時期ごとに変化する生活スタイルについて皆様と一緒に考えてみたいと思います。」(開催にあたり)

「ライフスタイル」あるいは「生活スタイル」、言葉だけが漂っている。
東京都における「旧石器人のライフスタイル」を考えるにあたって稲城市「多摩ニュータウンNo.471-B」<遺跡>に言及せずに済ますことはできないであろう。
神奈川県における「旧石器人のライフスタイル」を考えるにあたって平塚市「王子ノ台」<遺跡>に言及せずに済ますことはできないであろう。
埼玉県における「旧石器人のライフスタイル」を考えるにあたって秩父市「長尾根」<遺跡群>に言及せずに済ますことはできないであろう。

疎外感もまた深まるばかりである。


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