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男根支配を欲望する象徴 [総論]



九州国立博物館、2014年の出来事である。
「立たせたい」という、あからさまな自己欲望のディスプレイである。
九州国立博物館には「いくら何でも、やり過ぎじゃないですか」という女性の学芸員はいなかったのだろうか?

九州国立博物館だけではない。
日本全国、ほぼ全ての博物館組織に該当するといって過言ではないだろう。

なぜ「立たせる」のか?

展示スペースの問題なのか?
少し調べれば、反証事例に事欠かないだろう。

見栄えの問題なのか?
それこそ小学生の女の子のランドセルは赤やピンクであるといった考えと似たり寄ったりと言えよう。

なぜ女子高生は、冬でもミニスカートに生足なのか?
なぜ女性タレントだけが、スリーサイズを公表しなければならないのか?

ある人は「解釈」という言葉が嫌いだと言っていたが、ある考古資料をどのように展示するのかといったこと一つをとっても、それは担当者のまごうことない「解釈」である。

石棒は樹立して用いられたという想定に男性中心主義的な価値観が反映されていないだろうか? 石棒研究者が意識的に性差別的であったと非難しているのではない。むしろ自分の欲望に基づく仮説に関する配慮を欠いているために、石棒研究が結果として無意識的な性差別的研究となっていることを危惧しているのである。

ここに「石棒は立てて展示する」という広く行き渡った文化規範に対して、ジェンダー視点から根源的な懐疑を提出する。
フェミニズム的な考察を日本考古学に意識的に組み込むことによって、石棒展示に限らず男性中心主義的な自らの眼差しを再検討することが課題である。

社会と性関係の表象という意味で、考古資料、特に「石棒」と呼ばれている棒状石製品をどのように展示するのかという在り方はイデオロギー装置として重要な指標となるだろう。


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流れつきました

>「立たせたい」という、あからさまな自己欲望のディスプレイである。
>九州国立博物館には「いくら何でも、やり過ぎじゃないですか」という女性の学芸員はいなかったのだろうか?

というコメント自体もまた無意識的な性差別となっていないだろうか?
と思いました。
by 流れつきました (2017-12-10 22:59) 

伊皿木蟻化(五十嵐彰)

おっしゃる通りです。
それは上から目線じゃないですか、という発言自体が、上から目線になっていないだろうかといったことと同じような。
そうしたことも含めて、こうしたやり取りを通じて、それぞれの無意識が意識化されることが大切だと思います。
by 伊皿木蟻化(五十嵐彰) (2017-12-11 20:35) 

流れつきました

ご返信を頂きまして、ありがとうございました。
>それぞれの無意識が意識化されることが大切だと思います。
というお言葉に大賛成です。
考古学や歴史学の世界は、暗黙知が多いような印象です。


by 流れつきました (2017-12-11 21:30) 

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