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이선제 묘지 귀향이야기(李先齊 墓誌 帰郷記) [全方位書評]

이선제 묘지 귀향이야기(李先齊 墓誌 帰郷記)
불법반출과기증,보물의탄생까지(不法搬出と寄贈、宝物の誕生まで)
국외소재문화재재단,2018(国外所在文化財財団 2018) ISBN 979-11-86625-16-3

李 先齊(イ ソンジェ:1390-1453)は、『高麗史』や『太宗実録』などの編纂事業に携わった韓国の文人であった。しかし子孫が疑獄事件に巻き込まれたことで、彼に関する多くの記録が失われ、生没年すら定かではない忘れられた存在となっていた。1998年に彼の墓が盗掘されて、その墓誌が密かに日本に持ち込まれた。一度は空港の税関で発見されたが、その時は簡単な記録が残されただけで現物の差し押さえには至らず、直後に巧妙な手段で持ち出されてしまった。2014年になって、日本に所在する韓国文化財を取り扱う「国外所在文化財財団」がその存在を知るに至り、16年前に記された関係資料との照合作業などを経て不法輸出品であることを確認し、4年間に渡り所蔵者ほか関係者・法的専門家と共にその取扱いを慎重に協議した結果、2017年「粉青沙器象嵌李先齊墓誌寄贈提案書」が作成され、東京で「粉青沙器李先齊墓誌寄贈式」、ソウルの国立中央博物館で「美しい寄贈 粉青沙器李先齊墓誌寄贈式」が行われて当該墓誌は無償で韓国側に寄贈された。寄贈後に韓国の国宝「宝物第1993号」に指定されて、今は故郷の光州国立博物館に収蔵されている。

寄贈者の言葉
「この墓誌は韓国美術を最も愛した亡き夫が大切にしていたものです。もちろんご先祖様に仕える韓国人と同様に、日本人もご先祖様を敬う気持ちは同じです。またこの墓誌は美術品としての芸術的価値以上に、大切な遺物であると、生前の夫は申しておりました。そのため私は夫のこうした遺志を最大限に尊重したいと考えました。この寄贈を契機に、日本と韓国両国の間における信義がより深まり、厚誼が発展することを願い、この墓誌を寄贈することにいたしました。」(151. 一部意訳)

こうした思いとその思いに賛同する多くの人たちの行動こそが、国際関係のより良い交流「日韓両国間の文化協力の増進に寄与すること」ではないか。

「日本側代表は、日本国民がその所有するこれらの文化財を自発的に韓国側に寄贈することは日韓両国間の文化協力の増進に寄与することにもなるので、政府としてはこれを勧奨するものであると述べた。」
(「日韓基本条約の関係諸規定、文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定、合意議事録」:1965年6月22日)

ところが本件を巡る経緯において、日本国政府が協力はおろか関与した形跡すら認められない。
これが日本国政府が言うところの「勧奨」の実態である(長澤2011【2017-11-11】参照)。

【死者の委託と生者の受託】

死者たちが遺した<もの>に囲まれて、私たち生者は暮らしている
それらは、ある時は意図して、ある時は意識せずに
しかし、その意図や意識はどれほど確かなものだろうか
同じように私たちも、日々暮らしながら、
ある時は意図して、ある時は意識せずに
様々な<もの>を遺している
その痕跡もまた、私たちが死者となった時に
後の世の生者たちが、目にし、手に取り
<もの>に託された私たちのメッセージを読み解くことだろう
生者は、いつの日か、必ず死者となるように
生者が、死者の問いかけに応えることで
死者は、生者となる


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